髙山 靖司三和ホールディングス株式会社 代表取締役社長 執行役員社長
LEADER 046
LEADER PROFILE

髙山 靖司

Yasushi Takayama
三和ホールディングス株式会社
代表取締役社長 執行役員社長

営業利益率10%超を果たし、中計2024は連結目標を超えた。

髙山 靖司

概要

三和ホールディングス株式会社の代表取締役社長 執行役員社長、髙山靖司氏。2017年4月に就任した。在任は、2026年9月末時点で9年6か月にあたる。

同社は、1956年に兵庫県尼崎市で設立された三和シヤッター製作所を前身とする、シャッター・ドアなど建材の製造・販売・サービスの企業グループである。日本・北米・欧州・アジアの世界28の国と地域で事業を行う。髙山氏の在任中には、4本の中期経営計画が動いた。就任前に始まっていた「第二次3ヵ年計画」、在任中に始まった「第三次中期経営計画」「中期経営計画2024」、そして進行中の「中期経営計画2027」である。各計画の最終年度の目標と実績は、次のとおりである。

計画最終年度売上高 目標→実績営業利益 目標→実績営業利益率 目標→実績ROE 目標→実績
第二次3ヵ年計画(就任前に開始)2019年3月期4,100億円→4,100億円370.0億円→315.9億円9.0%→7.7%15.0%→13.5%
第三次中期経営計画(1年延長)2022年3月期4,500億円→4,690億円375.0億円→354.9億円8.3%→7.6%14.1%→12.0%
中期経営計画20242025年3月期5,800億円→6,624億円450.0億円→805.2億円7.8%→12.2%13.5%→19.0%
中期経営計画2027(進行中)2028年3月期7,500億円(1年目 6,607億円)950億円(1年目 790億円)12.7%(1年目 12.0%)19.0%(1年目 17.8%)

第三次中期経営計画の目標は、延長前の当初の最終年度(2021年3月期)の値である。

在任中に始まった中期経営計画2024は、連結の売上高・営業利益・営業利益率・SVA・ROIC・ROEの数値目標を、いずれも大きく上回った。営業利益は目標450億円に対して805億円である。髙山氏は、この計画で「特に重視していた営業利益率は、長年の目標だった10%超を2023年度に達成し」と記している。

中期経営計画2027の1年目にあたる2026年3月期は、売上高6,607億円が期初の会社予想を上回り、純利益は過去最高となった。営業利益は790億円で、期初予想の810億円に届かなかった。会社は「目標の見直しは行わず」としている。

COMPANY
三和ホールディングス株式会社
SALES
6,607億1,200万円
EMPLOYEES
13,174名
PRESIDENT SINCE
2017年4月
01

経歴

時期役職
2006年10月三和シヤッター工業株式会社(現 三和ホールディングス)入社
2008年4月TCR統括部長
2009年4月構造改革推進部長
2010年4月三和シヤッター工業株式会社 取締役常務執行役員
2011年4月常務執行役員 海外事業部門担当補佐
2012年4月専務執行役員 経営企画部門担当
2012年6月取締役
2016年4月執行役員副社長 社長補佐
2017年4月代表取締役社長(現任)、COO
2020年4月執行役員社長(現任)

1971年生まれ。本人は社長就任時の統合報告書で、「私は、金融機関での経験を経て、10年前に三和シヤッター工業(現 三和ホールディングス)に入社」したと記している。2006年10月の入社後、商品開発や調達、構造改革、海外事業などに携わったとしている。2012年4月に専務執行役員として経営企画部門を担当し、同年6月に取締役となった。同じ文書では、「経営企画担当役員として中期経営計画の策定に携わったほか、IR部門の責任者として株主や投資家の皆様と対話する機会も数多く持ちました」と振り返っている。2016年4月に執行役員副社長、2017年4月に代表取締役社長となった。

2017年6月提出の有価証券報告書は、「髙山靖司は、代表取締役会長髙山俊隆の長男であります」と記している。2026年6月提出の有価証券報告書によると、取締役(非常勤)の髙山盟司氏は「代表取締役社長髙山靖司の弟」で、中核事業会社である三和シヤッター工業の代表取締役社長を務める。髙山靖司氏は、2025年度の取締役会8回すべてに出席した。

02

会社データ

項目内容
社名三和ホールディングス株式会社
本店所在地東京都新宿区西新宿二丁目1番1号
上場市場東京証券取引所 プライム市場(証券コード5929)
連結売上高6,607億円(2026年3月期)
連結営業利益790億円(2026年3月期)
連結従業員数13,174人(2026年3月31日現在)

同社は、1956年4月に兵庫県尼崎市で設立された三和シヤッター製作所を前身とし、2007年10月に会社分割で持株会社へ移行して現在の社名となった。グループは、同社と子会社98社、関連会社11社の計110社で構成される。セグメントは日本・北米・欧州・アジアの4つで、2026年3月期の売上高は日本2,913億円、北米2,418億円、欧州1,150億円、アジア130億円である。米国のOverhead Door Corporation(1996年)、欧州のNovofermグループ(2003年)の買収により、海外事業の基盤を築いてきた。会計は日本の基準による。

03

人物の軌跡

答え合わせ①:就任時に進んでいた計画は、売上高が「想定どおり」の4,100億円となった

髙山氏が社長に就いた2017年4月、同社は長期経営ビジョン「三和グローバルビジョン2020」(2013年度〜2021年度)の下で、「第二次3ヵ年計画」(2016年度〜2018年度)の2年目に入るところだった。この計画は就任前に始まったものである。ビジョン2020について、髙山氏は就任時の統合報告書で次のように記している。

策定に際しては、当時、経営企画担当役員として私自身が深く関わり、策定プロセスを従業員と共有することを大事にしながら形にしました。

第二次3ヵ年計画の最終年度(2019年3月期)の目標と実績は、次のとおりである。

指標目標(2019年3月期)実績(2019年3月期)
売上高4,100億円4,100億円
営業利益370.0億円315.9億円
営業利益率9.0%7.7%
ROE15.0%13.5%
SVA128億円127億円
自己資本比率42.0%47.4%
D/Eレシオ0.40倍0.38倍

統合報告書2019は、最終年度を「当初公表時と比較して売上高は想定どおりでしたが、利益は鋼材価格や各種コストの予想以上の上昇が主因となり、3ヵ年計画の当初目標には届きませんでした。ただし、売上高および営業利益は過去最高の数字を更新しました」と総括している。

答え合わせ②:在任中に始まった計画は、コロナ禍で1年延長し、最終年度に過去最高を更新した

2019年度からは、ビジョン2020の締めくくりとなる「第三次中期経営計画」(2019年度〜2020年度の2か年)が始まった。目標は、2021年3月期に売上高4,500億円、営業利益375.0億円、営業利益率8.3%、ROE14.1%、SVA159億円である。

指標当初の目標(2021年3月期)2020年3月期2021年3月期2022年3月期(延長後の最終年度)
売上高4,500億円4,402億円4,271億円4,690億円
営業利益375.0億円342.0億円331.0億円354.9億円
営業利益率8.3%7.8%7.7%7.6%
ROE14.1%13.3%12.4%12.0%
SVA159億円140億円136億円148億円

1年目の2020年3月期は過去最高の業績となった。2年目は新型コロナウイルス感染症の影響を受けた。同社は2021年3月期の予想を売上高3,900億円、営業利益220億円とし(統合報告書2020)、その後、計画を「1年延長し、2021年度までに変更しました」(統合報告書2021)。2021年3月期の実績は、売上高4,271億円、営業利益331億円で、統合報告書2021は「各エリアでの戦略、施策により予想はクリアしました」と記している。延長後の新たな数値目標は、確認した資料に見当たらない。

延長後の最終年度、2022年3月期の売上高は4,690億円となり、当初の目標4,500億円を超えた。髙山氏は統合報告書2022で、次のように記している。

2021年度の業績は、コロナ禍による経済活動の制約を強く受けた2020年度から回復し、売上高、各利益とも過去最高を更新することができました。

経営企画部門担当の山崎弘之氏(当時 取締役常務執行役員)は、同じ報告書で計画を「結果的に売上15%、営業利益12%の伸長と、当初の計画自体には届きませんでしたが、過去最高を達成することはできました」と振り返っている。

答え合わせ③:中期経営計画2024は、営業利益が目標450億円に対して805億円となった

2022年度、同社は長期経営ビジョン「三和グローバルビジョン2030」(2022年度〜2030年度)を始め、その第一段階として「中期経営計画2024」(2022年度〜2024年度)を2022年5月に公表した。最終年度の2025年3月期の目標と実績は、次のとおりである。

指標起点(2022年3月期)目標(2025年3月期)実績(2025年3月期)
売上高4,690億円5,800億円6,624億円
営業利益354.9億円450.0億円805.2億円
営業利益率7.6%7.8%12.2%
SVA148億円190億円418億円
ROIC(投下資本=株主資本+有利子負債)10.0%11.5%18.5%
ROE12.0%13.5%19.0%

中期経営計画2027の説明資料は、「国内、米州事業がけん引し、各指標とも中計2024目標を大きく上回った」と記している。有価証券報告書も、中期経営計画2024は「当初掲げた目標値を大きく上回る結果となりました」としている。確認した資料に、計画期間中に数値目標を見直した記載は見当たらない。

計画は、地域別の営業利益の目標も掲げていた。

地域営業利益の目標(2025年3月期)実績(2025年3月期)
日本275.0億円354.4億円
米州135.0億円415.0億円
欧州62.0億円34.1億円
アジア8.0億円3.7億円

髙山氏は、統合報告書2025で3年間を次のように振り返っている。

業績面では売上高・営業利益とも中計期間の3年連続で過去最高を更新し、予想以上の結果を残すことができました。

続けて、「日本と米州では、市況があまりよくはない中でも、売価転嫁やコスト管理をしっかりと行い、当初の目標を大きく上回る成果を上げました」と述べている。山崎氏(取締役専務執行役員)は、米州の最終年度の営業利益415億円を「前中計目標とした135億円の3.1倍」と記している。一方で同氏は、欧州は計画未達、アジアは売上高・利益ともに計画に届かなかったとし、M&A投資は18億円にとどまったことを「次への大きな課題と認識していました」と記している。

答え合わせ④:営業利益率は、「長年の目標だった10%超」に届いた

髙山氏が中期経営計画2024で「特に重視していた」と記すのが、営業利益率である。在任中の推移は、次のとおりである。

決算期売上高営業利益営業利益率
2018年3月期3,857億円283億円7.3%
2019年3月期4,100億円316億円7.7%
2020年3月期4,402億円342億円7.8%
2021年3月期4,271億円331億円7.7%
2022年3月期4,690億円355億円7.6%
2023年3月期5,882億円563億円9.6%
2024年3月期6,111億円654億円10.7%
2025年3月期6,624億円805億円12.2%
2026年3月期6,607億円791億円12.0%

中でも特に重視していた営業利益率は、長年の目標だった10%超を2023年度に達成し、2024年度には12.2%まで向上させることができました。

営業利益率は2022年3月期まで7%台で推移し、2024年3月期に10.7%、2025年3月期に12.2%となった。就任直前の2017年3月期と2026年3月期を比べると、売上高は3,539億円から6,607億円に、営業利益は264億円から791億円になっている。

答え合わせ⑤:中期経営計画2027の1年目は、純利益が過去最高となり、目標は据え置いた

2025年5月14日、同社は第二段階の「中期経営計画2027」(2025年度〜2027年度)を公表した。1年目の2026年3月期の実績は、次のとおりである。

指標2028年3月期(2027年度)の目標2026年3月期 期初予想2026年3月期 実績
売上高7,500億円6,540億円6,607億円
営業利益950億円(のれん償却前 1,000億円)810億円790億円
営業利益率12.7%(のれん償却前 13.3%)12.4%12.0%
SVA460億円395億円380億円
ROIC18.5%17.5%17.3%
ROE19.0%18.0%17.8%

営業利益の目標は、のれん償却前で1,000億円、償却後で950億円と、2つの表記がある。同じ目標を、のれんの償却の前と後で示したものである。期初予想は、期中に修正されていない。

2026年3月期の連結業績は、売上高6,607億円(前年度比0.3%減)、営業利益790億円(同1.8%減)、経常利益806億円(同4.0%減)、純利益598億円(同3.9%増)だった。売上高は期初予想を上回った。営業利益・経常利益は減少した一方、特別利益等の計上も寄与し、純利益は過去最高となった。有価証券報告書は、SVAについて「前年、予想いずれも未達でした」と記している。セグメント別では、日本の営業利益が390億円(同9.0%増)と伸び、北米・欧州・アジアは減益だった。山崎氏は統合報告書2026で、日本の営業利益率が「目標を1ポイント上回る13.4%まで向上しました」とし、計画全体については次のように記している。

中期経営計画2027の初年度である2025年度は、業績および各種指標ともにやや足踏みする結果となりましたが、目標の見直しは行わず、引き続き改善に取り組んでまいります。

髙山氏は、同じ報告書の社長メッセージ(インタビュー形式)で、初年度の業績を「好調であった前中計と比べると、さまざまな外部要因が重なり総じて軟調に推移しました」と述べ、次のように語っている。

また、たとえ市場回復の遅れが事業拡大に影響したとしても、本中計で掲げた営業利益率の目標は確実に達成できるようにこだわっていきたいと考えています。

配当は、配当方針を自己資本配当率(DOE)8%を目安とする形に改め、2026年3月期は年間130円(前年度比24円増)とした。計画で予定する総額400億円の自己株式取得のうち、初年度に200億円を実施した。

答え合わせ⑥:2年目の会社予想は、営業利益810億円

2026年5月、同社は2年目の2027年3月期の会社予想を、売上高6,770億円、営業利益810億円、経常利益825億円、純利益600億円とした。有価証券報告書の経営目標の表では、2026年度予想を営業利益率12.0%、SVA380億円、ROIC17.3%、ROE17.0%としている。年間配当の予想は146円である。

2026年4〜6月の第1四半期は、売上高1,404億円、営業利益58億円(前年同期は99億円)、純利益48億円だった。通期の予想は、2026年7月31日時点で据え置かれている。中期経営計画2027の答えは、2028年3月期の通期決算で示される。

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経営哲学

会社に関わる人たちが幸せになる

社長就任時の統合報告書2017で、髙山氏は自身の経営の考え方を次のように説明している。

非常に抽象的で当たり前の表現になってしまうのですが、やはり会社というものは、そこに関わる人たちが幸せになっていかなければならないと思っています。

続けて、お客様、従業員、協力会社、施工技術者、取引先、株主・投資家を挙げ、「長期的に安定した収益を上げ続けていくことは大きな責務と考えています」と記している。

「まず聞く」こと

統合報告書2025の社長メッセージは、社長としての姿勢から書き起こされている。

私が三和ホールディングスの社長に就任してから8年になりますが、この間ずっと心がけてきたのは「人の話にしっかり耳を傾ける」ということです。

そのうえで、「「まず聞く」ことを大切にし、多様な考えを取り入れることで、新しい発想が生まれ、偏った判断に陥るリスクを避けることができるのだと思います」と述べ、「さまざまな声に耳を傾けたうえで最善の判断をスピーディーに下すことが、社長としての責務だと考えています」と続けている。

シャッターを中心に据えるのは「合理的な理由」

三和グローバルビジョン2030は「To be a Global Leader of Smart Entrance Solutions ~高機能開口部のグローバルリーダーへ」を掲げる。髙山氏は統合報告書2026で、「私が最も重視しているのは「Solutions」の部分です」と語る。一方で、変えないものについては次のように述べている。

一方、「変わらないものは何か」も重要な指針ですが、シャッターなど開口部商品を中心に据えたビジネスそのものを変えるつもりはありません。これは決して祖業に対する想いといった精神論ではなく、収益性に優れたビジネスモデルが確立されているからという極めて合理的な理由です。

資金の使い方を柔軟に見直す

中期経営計画2027は、3年間でM&Aに500億円を充てる計画である。髙山氏は、これを「ハードルの高い戦略テーマだと考えています」としたうえで、次のように語っている。

ただ、M&Aそのものが目的化してしまうのは本意ではなく、状況に応じて株主還元のさらなる充実や社員への還元も含め、資金配分を柔軟に見直していく考えです。

配当方針の変更については、統合報告書2025で「「配当もROEも下げない」という安定配当継続と資本効率向上に対する私たちの強い意思の表れだと受け取っていただけたらと思います」と記している。

最大の課題は人的資本の質

中長期の課題について、髙山氏は統合報告書2026で「人的資本の強化が最大の課題であり、とりわけ質的な進化を図っていく必要があると認識しています」と語る。社員の真面目さや製品を愛する気持ちを強みとしたうえで、ソリューションの強化には「柔軟で創造性豊かな発想も必要ではないかと感じます」とし、海外子会社の人材の発掘や抜擢も「検討すべき時期にきていると感じています」と述べている。

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人物像

リーダーシップタイプ

収益性重視型・傾聴型。中期経営計画2024では営業利益率を「特に重視していた」と記し、中期経営計画2027でも営業利益率の目標に「こだわっていきたい」と語っている。社長としての姿勢を「人の話にしっかり耳を傾ける」と自ら表現し、聞いたうえで判断を速く下すことを責務としている。入社後、構造改革、海外事業、経営企画、IRを担当し、社長補佐を経て46歳で社長に就いた。

強み・特徴(編集部分析)

1. 計画の結果を自分の言葉で評価する

中期経営計画2024は「予想以上の結果」と総括し、中期経営計画2027の1年目は「総じて軟調に推移しました」と述べた。同じ報告書で、基本戦略の進み具合についても「軟調な市場への対応に追われ、やや後手に回ってしまったところがあります」と語っている。

2. 営業利益率を軸に置く

中期経営計画2024で「特に重視していた」営業利益率は、2024年3月期に10.7%、2025年3月期に12.2%となった。中期経営計画2027では、市場の回復が遅れても営業利益率の目標は「確実に達成できるようにこだわっていきたい」としている。

3. 「まず聞く」を社長の姿勢として掲げる

社長在任8年の振り返りとして、「人の話にしっかり耳を傾ける」ことを挙げ、社内で多様な意見が出やすい環境づくりとインクルージョンの推進を重視してきたと記している。

4. 経営企画とIRの経験を経て社長に就いた

2012年から経営企画部門を担当し、本人の記載によればIR部門の責任者として株主・投資家と対話を重ねた。社長就任時には、ビジョン2020の策定に「経営企画担当役員として私自身が深く関わり」と記している。

発言・記載と実績の対応

発言・記載出典実績
「売上高、各利益とも過去最高を更新することができました」統合報告書2022 TOPメッセージ2022年3月期 売上高4,690億円、営業利益354.9億円(いずれも当時の過去最高)
「予想以上の結果を残すことができました」統合報告書2025 社長メッセージ中期経営計画2024 最終年度 売上高6,624億円(目標5,800億円)、営業利益805.2億円(同450.0億円)、ROE19.0%(同13.5%)
「長年の目標だった10%超を2023年度に達成し」統合報告書2025 社長メッセージ営業利益率 2024年3月期10.7%、2025年3月期12.2%
「当初の目標を大きく上回る成果を上げました」(日本と米州)統合報告書2025 社長メッセージ米州の2025年3月期営業利益415億円(前中計目標135億円・山崎氏の記載)
「総じて軟調に推移しました」統合報告書2026 社長メッセージ2026年3月期 営業利益790億円(期初予想810億円)、純利益598億円(過去最高)
「本中計で掲げた営業利益率の目標は確実に達成できるようにこだわっていきたい」統合報告書2026 社長メッセージ2026年3月期 営業利益率12.0%(2028年3月期の目標12.7%、のれん償却前13.3%)
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編集部総評

髙山氏の在任9年半には、4本の中期経営計画が重なる。就任時に進んでいた第二次3ヵ年計画では、最終年度の売上高は会社が「想定どおり」とする4,100億円となり、売上高・営業利益は当時の過去最高を更新した一方、営業利益は当初の目標に届かなかった。在任中に始まった第三次中期経営計画は、コロナ禍で1年延長し、最終年度に売上高4,690億円と、当初の目標4,500億円を超え、各利益も過去最高となった。営業利益は当初の目標を下回った。

中期経営計画2024では、営業利益が目標450億円に対して805億円、営業利益率が7.8%の目標に対して12.2%、ROEが13.5%の目標に対して19.0%となり、連結の数値目標をいずれも大きく上回った。日本と米州は地域別の目標も上回った。本人が「特に重視していた」とする営業利益率は、7%台から10%を超える水準へ移った。本人はこの3年間を「予想以上の結果」と総括したうえで、欧州とアジアの収益性やM&Aを次の課題として挙げている。

進行中の中期経営計画2027は、1年目に売上高が期初予想を上回り、純利益は過去最高となった。会社は「目標の見直しは行わず」とし、髙山氏は営業利益率の目標に「こだわっていきたい」と語る。2年目以降、北米・欧州の市場の動きとともに、営業利益950億円(のれん償却前1,000億円)、営業利益率12.7%(同13.3%)の目標にどこまで近づくかが見どころになる。

今後の焦点として読み取れる点

  • 2027年3月期の会社予想(売上高6,770億円・営業利益810億円・純利益600億円)。第1四半期の営業利益は58億円(前年同期99億円)で、予想は据え置き
  • 中期経営計画2027の最終年度の目標(売上高7,500億円・営業利益950億円・SVA460億円・ROIC18.5%・ROE19.0%)
  • 米州の営業利益率20%以上、欧州の営業利益率の回復(山崎氏の記載)と、アジアの華東事業・ベトナム事業の立て直し
  • 3年間で500億円を予定するM&A投資と、総額400億円の自己株式取得の進み具合
  • 本人が「最大の課題」とする人的資本の強化と、グローバル人材の発掘・抜擢

参考情報

出典

  • 有価証券報告書 第91期(2026年3月期・2026年6月22日提出・主要な経営指標等の推移は1〜2/140ページ、中期経営計画2027の経営目標は11〜12/140ページ、経営成績と目標とする経営指標の達成状況等は27〜28/140ページ、取締役会の活動状況は53/140ページ、役員の状況は54〜56/140ページ)

`https://disclosure2dl.edinet-fsa.go.jp/searchdocument/pdf/S100YFHH.pdf`

  • 有価証券報告書 第82期(2017年3月期・2017年6月29日提出・役員の状況)

`https://disclosure2dl.edinet-fsa.go.jp/searchdocument/pdf/S100AQ0R.pdf`

  • 三和グローバルビジョン2030 中期経営計画2027(2025年3月期決算 2025年5月14日 説明資料・中計2024の振り返りは7ページ、中計2027の数値目標は10ページ)

`https://www.sanwa-hldgs.co.jp/ir/management/pdf/midterm_plan_2025051401.pdf`

  • 中期経営計画、長期ビジョン(三和ホールディングス ウェブサイト)

`https://www.sanwa-hldgs.co.jp/ir/management/midterm_plan.html`

`https://www.sanwa-hldgs.co.jp/ir/management/long_term_vision.html`

  • 統合報告書2026「社長メッセージ」「財務戦略」「これまでの歩み」

`https://www.sanwa-hldgs.co.jp/ir/library/pdf/annual/2026.pdf`

  • 統合報告書2025「社長メッセージ」「中期経営計画2024の振り返り」「中期経営計画2027」「財務戦略」

`https://www.sanwa-hldgs.co.jp/ir/library/pdf/annual/2025.pdf`

  • 統合報告書2022「TOPメッセージ」「新ビジョンと中期経営計画」「財務戦略」

`https://www.sanwa-hldgs.co.jp/ir/library/pdf/annual/AR2022_jA4.pdf`

  • 統合報告書2021「長期ビジョン・中期経営計画」

`https://www.sanwa-hldgs.co.jp/ir/library/pdf/annual/AR2021_jA4.pdf`

  • 統合報告書2020「長期ビジョン・中期経営計画」

`https://www.sanwa-hldgs.co.jp/ir/library/pdf/annual/AR2020_jA4.pdf`

  • 統合報告書2019「第三次中期経営計画」

`https://www.sanwa-hldgs.co.jp/ir/library/pdf/annual/190828_AR2019_j.pdf`

  • 統合報告書2017「中期経営計画の概要」「社長メッセージ」

`https://www.sanwa-hldgs.co.jp/ir/library/pdf/annual/170904_AR17_j.pdf`

  • ごあいさつ、役員一覧、沿革(三和ホールディングス 日本語・英語ウェブサイト。略歴とローマ字表記の確認)

`https://www.sanwa-hldgs.co.jp/corporate/message.html`

`https://www.sanwa-hldgs.co.jp/corporate/profile/officer.html`

`https://www.sanwa-hldgs.co.jp/english/corporate/profile/officer.html`

`https://www.sanwa-hldgs.co.jp/corporate/profile/history.html`

注記

  • 本記事は、三和ホールディングス株式会社が公表した資料を中心に構成し、年次の財務数値の一部、会社予想と四半期の数値はデータ提供サービスで補っています。取材は行っていません
  • 同社の決算期は3月です。本記事は「2026年3月期」のように決算期で表記しています。同社の資料の「2025年度」は2026年3月期にあたります
  • 同社は日本の会計基準を採用しています。「純利益」は、親会社株主に帰属する当期純利益です
  • SVA(Sanwa Value Added)は、同社が2001年度から用いる独自の付加価値指標(税引後営業利益-投下資本×資本コスト)です。資本コスト(WACC)は、2026年3月期の予想から6%を7%に改めています
  • ROICは、中期経営計画2027から投下資本の定義を「株主資本+有利子負債-現金および現金同等物、投資有価証券」から「株主資本+有利子負債」に改めています。中期経営計画2024のROICの目標と実績は、新しい定義による値(同社の説明資料の表示)です。旧い定義では、目標は17.5%でした
  • 中期経営計画2024の2025年3月期の売上高6,624億円は同社の説明資料・統合報告書の表示で、有価証券報告書の表示は6,623億円です。第二次3ヵ年計画の2019年3月期の売上高4,100億円は統合報告書の表示で、データ提供サービスの値は4,099億9,000万円です
  • 中期経営計画2027の営業利益の目標は、説明資料と統合報告書で「1,000億円(のれん償却前)」、有価証券報告書で「950億円」と表示されています。SVAの目標は、説明資料・有価証券報告書・統合報告書では460億円、会社サイトの中期経営計画のページでは450億円と表示されています(確認日2026-10-05)。本記事は460億円としました
  • 中期経営計画2024の地域別の営業利益の目標は統合報告書2022(PDFの24ページ)、2025年3月期の実績は中期経営計画2027の説明資料(10ページ)の表示です。地域別の売上高の目標は、日本・米州・欧州が目標を上回り、アジアは目標160億円に対して154億円でした
  • 第二次3ヵ年計画の自己資本比率とD/Eレシオの目標は、確認した資料に「以上」「以下」の別が記載されていないため、目標との比較は行っていません
  • 第三次中期経営計画の延長後(2022年3月期)の数値目標は、確認した資料に記載が見当たりません(確認日2026-10-05)。総括の「当初の計画自体には届きませんでしたが」は、山崎弘之氏の記載です
  • 2018年3月期の売上高・営業利益と、就任直前の2017年3月期の数値はデータ提供サービス経由で確認した有価証券報告書の数値です。2018年3月期の営業利益率7.3%は編集部が算出しました。答え合わせ④の表の売上高・営業利益は、億円未満を四捨五入しています。2026年3月期の営業利益は790億9,500万円で、有価証券報告書の目標の表では790億円、統合報告書2026では791.0億円と表示されています。純利益は597億7,600万円です
  • 2026年3月期の期初予想、2027年3月期の会社予想と第1四半期の数値は、データ提供サービス経由で確認した決算短信の数値です。2026年3月期の通期予想は、第1〜第3四半期の決算短信でも期初と同じ値でした
  • 引用した本人の言葉は、統合報告書2025の社長メッセージ、2022のTOPメッセージ、2017の社長メッセージ(いずれも本人の一人称の文章で、署名は「代表取締役社長 執行役員社長 髙山 靖司」または「代表取締役社長 COO 髙山 靖司」)と、統合報告書2026の社長メッセージ(質問と回答によるインタビュー形式)からのものです。財務戦略のページは山崎弘之氏の記載、統合報告書2019の第二次3ヵ年計画の振り返りは会社の記載として扱っています
  • 入社前に勤めた金融機関の名称と学歴は、確認した資料(有価証券報告書、会社サイトの役員一覧、統合報告書)に記載が見当たりません(確認日2026-10-05)。続柄は有価証券報告書の記載によります
  • PDFからの抽出では、段組みの文章が交互に混ざります。引用は、段組みの順に並べ直し、改行を詰めて掲載しています。全角・半角の表記は原文どおりです