中村 公大山九株式会社 代表取締役社長 CEO
LEADER 047
LEADER PROFILE

中村 公大

Kimihiro Nakamura
山九株式会社
代表取締役社長 CEO

同社は営業利益率5%以上を6年保ち、新CEOの下で中計を見直した。

中村 公大

概要

山九株式会社の代表取締役社長 CEO、中村公大氏。2016年4月に代表取締役社長 COOに就き、2025年4月からCEOを兼ねる。社長在任は、2026年9月末時点で10年6か月にあたる。

同社は、1918年に福岡県門司市で創業した、物流と機工(プラントの設備工事・メンテナンス)の2つの事業を国内外で営む企業グループである。2016年4月から2025年3月までは、会長の中村公一氏が代表取締役会長 CEOを務め、公大氏は社長 COOとして経営にあたった。この間に、同社は「中期経営計画2020」「中期経営計画2020+」を進め、2023年に「Vision2030」と「中期経営計画2026」を公表した。公大氏がCEOとなった翌月の2025年5月、同社は中期経営計画2026を見直し、2026年には「Vision2030」を更改した。各計画の目標と実績は、次のとおりである。

計画期間(決算期)主な数値目標実績
中期経営計画2016(就任前に開始)2016年3月期〜2017年3月期(1年前倒しで終了)確認した資料に記載なし2017年3月期 営業利益271億円
中期経営計画20202018年3月期〜2021年3月期営業利益率5.0%以上・D/Eレシオ0.6以下の維持営業利益率 5.9%〜7.1%・D/Eレシオ 0.34〜0.20倍で、4年とも達成
中期経営計画2020+(2年延長)2022年3月期〜2023年3月期同上営業利益率 6.2%・6.6%、D/Eレシオ 0.19倍・0.18倍で、2年とも達成
中期経営計画2026(2025年5月に見直し・進行中)2024年3月期〜2027年3月期売上高6,600億円以上・営業利益率7.1%以上・ROE10%(見直し後)3年目の2026年3月期 売上高6,316億円・営業利益率6.8%・ROE10.6%

中期経営計画2020と2020+の6年間、営業利益率は5%を下回らず、D/Eレシオは0.6倍以下を保った。2018年3月期と2019年3月期には、売上高と各利益が過去最高を更新した。

CEO就任の翌月に見直した中期経営計画2026は、売上高と営業利益率の目標を引き上げ、自己株式の取得額を400億円から700億円に増やした。最終年度の2027年3月期の会社予想は、売上高6,385億円、営業利益470億円である。

COMPANY
山九株式会社
SALES
6,315億7,300万円
EMPLOYEES
29,324名
PRESIDENT SINCE
2016年4月
01

経歴

時期役職
2002年4月山九株式会社 入社
2011年6月執行役員
2012年4月経営企画副担当兼経営企画部長兼事業・エリア管掌補佐
2013年4月エリア統括
2013年6月取締役兼執行役員
2014年4月代表取締役専務取締役 事業・エリア管掌兼エリア統括
2016年4月代表取締役社長 COO
2025年4月代表取締役社長 CEO(現任)

1976年生まれ。2002年4月に入社し、2011年6月に執行役員となった。2012年4月から経営企画部長を務め、2013年にエリア統括、取締役となり、2014年4月に代表取締役専務取締役として事業・エリア管掌を担当した。2016年4月、39歳で代表取締役社長 COOに就いた。2025年4月からはCEOを務める。

2026年6月提出の有価証券報告書は、「代表取締役社長 CEO 中村公大は、取締役会長 取締役会議長 中村公一の長男であります」と記している。中村公一氏は、2016年4月から2025年3月まで代表取締役会長 CEOを務め、2025年4月から取締役会長 取締役会議長である。公大氏は、2025年度の取締役会14回すべてに出席した。

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会社データ

項目内容
社名山九株式会社
本社所在地東京都中央区勝どき6丁目5番23号(登記上の本店は北九州市門司区)
上場市場東京証券取引所 プライム市場、福岡証券取引所(証券コード9065)
連結売上高6,316億円(2026年3月期)
連結営業利益432億円(2026年3月期)
連結従業員数29,324人(2026年3月31日現在)

同社は、1918年10月、福岡県門司市に山九運輸株式会社として創業した。港湾荷役から始まり、陸上輸送、工場構内の物流・操業、設備工事・メンテナンスへと事業を広げてきた。グループは、同社と子会社74社、関連会社13社で構成される。2026年3月期の売上高は、物流事業2,953億円、機工事業3,075億円、その他289億円である。会計は日本の基準による。

03

人物の軌跡

答え合わせ①:就任時に進んでいた計画は、1年前倒しで終えた

中村氏が社長に就いた2016年4月、同社は2015年度に始まった中期経営計画(同社の資料では「中期経営計画2016」)の2年目に入るところだった。この計画は就任前に始まったもので、2016年3月期の有価証券報告書は、「コスト構造改革戦略」「事業戦略」「経営構造改革戦略」の3点を重要戦略に掲げていた。

翌2017年6月の有価証券報告書は、次のように記している。

当社グループは、2018年3月期を最終年度とする現中期経営計画を1年前倒しで終了し、新たな中期経営計画2020(2017年〜2020年)を策定しました。

中期経営計画2016の数値目標は、確認した資料に見当たらない。同社は2023年の資料で、この計画の成果を「コスト構造の見直しにより、収益性向上を達成」とまとめている。最終年度にあたる2017年3月期の売上高は5,100億円、営業利益は271億円だった。

答え合わせ②:中期経営計画2020は、営業利益率5%以上を4年とも達成した

中期経営計画2020(2017年度〜2020年度)は、2018年3月期から2021年3月期までの4年間の計画である。数値目標は、「営業利益率5.0%以上」と「D/Eレシオ0.6以下」の維持の2つだった。この期間のCEOは、会長の中村公一氏である。

決算期売上高営業利益営業利益率(目標5.0%以上)D/Eレシオ(目標0.6以下)ROE
2018年3月期5,320億円316億円5.9%0.34倍11.5%
2019年3月期5,725億円392億円6.9%0.20倍14.6%
2020年3月期5,695億円404億円7.1%0.20倍12.6%
2021年3月期5,339億円339億円6.4%0.20倍10.5%

4年とも、2つの目標を達成した。有価証券報告書は、2018年3月期と2019年3月期について「売上高、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益で過去最高を更新いたしました」と記し、2020年3月期は「売上高が前連結会計年度に比べ減少したものの、営業利益、経常利益で過去最高を更新いたしました」としている。会社はいずれの年も、中期経営計画2020の「収益力向上」「人財強化」「事業拡大」「基盤強化」の諸施策が「一定の効果を上げたものと評価しております」と記している。

最終年度の2021年3月期は、コロナ禍で減収減益となった。この年の有価証券報告書は、次のように総括している。

当連結会計年度は前年比で減収減益となっていますが、これらの取組結果として、中期経営計画で収益力の財務指標として掲げた「安定的に営業利益率5%以上を維持する」という目標は、コロナ禍による世界経済低迷の影響を受けた中でも上回ることができ、「筋肉質な収益体制の構築」に向け、着実な成果を上げていると考えております。

答え合わせ③:2年延長した「2020+」も、同じ目標を保った

同社は、コロナ禍を受けて「中期経営計画の刷新を2年間延長し「中期経営計画2020+」として」、2021年度・2022年度の計画とした(2021年6月の有価証券報告書)。数値目標は、引き続き「営業利益率5.0%以上」「D/Eレシオ0.6以下」の維持である。

決算期売上高営業利益営業利益率(目標5.0%以上)D/Eレシオ(目標0.6以下)ROE
2022年3月期5,538億円345億円6.2%0.19倍9.4%
2023年3月期5,792億円382億円6.6%0.18倍9.7%

2年とも、確定した実績で2つの目標を達成した。一方、最終年度の終了前の2023年1月時点で、会社は中期経営計画2026の資料の中で、中期経営計画2020+を次のように総括していた。

経営基盤を強化し、安定した財務体質と筋肉質な収益体質を構築。世の中の不確実性は増しており、新たな課題に向けた取り組みが必要。

同じ資料は、成果としてコンプライアンス専門部署の設置やサステナビリティ基本方針の策定を挙げ、「残された課題」として、「人財の採用・定着は、関係会社を含め厳しい状況」であることや、DXの推進と低収益事業の改善を挙げている。

答え合わせ④:CEO就任の翌月、中期経営計画2026の目標を見直した

2023年1月30日、同社は2030年のあるべき姿を描く「Vision2030」と、その第1段階「変革期」とする「中期経営計画2026」(2023年度〜2026年度)を公表した。2026年度は2027年3月期にあたる。当初の目標は、売上高6,300億円以上、営業利益率6.7%以上、海外売上高成長率(2021年度比)25%UP、ROIC8.0%水準、ROE10%水準だった。

公大氏がCEOとなった翌月の2025年5月12日、同社は目標を見直した。見直しのお知らせは、背景を次のように説明している。

しかしながら、加速する外部環境変化への対応が遅れたことにより、物流事業の収益目標値と実績値および予想値には乖離が生じており、また資本収益性についても課題があると認識しております。

そのうえで、「資本収益性を重視した以下の変革を、新 CEO のリーダーシップのもとで実行してまいります」とし、物流事業のコスト構造の見直し、ROE10%の持続性を考慮した自己資本水準、事業再編を意識した人材の最適配置の3点を挙げた。最終年度の目標は、次のように変わった。

指標当初の目標(2027年3月期)見直し後の目標(2027年3月期・2025年5月の見直し時の表示)
売上高6,300億円以上6,600億円
営業利益率6.7%以上7.1%
海外売上高成長率(2021年度比)25%UP25%UP
ROIC8.0%水準9.0%
ROE10%水準10%
総還元性向(4年間)70%水準100%水準
自己株式の取得額(4年間)400億円700億円

売上高・営業利益率・ROICの目標は引き上げられた。見直しの資料では、2027年3月期の営業利益を470億円(当初の計画では422億円)としている。配当は配当性向40%水準を保ちつつ、下限を「前年度1株当たり年間配当額」とした。

計画の3年目までの実績は、次のとおりである。

決算期売上高営業利益営業利益率ROE
2024年3月期(1年目)5,635億円352億円6.2%8.8%
2025年3月期(2年目)6,068億円439億円7.2%10.7%
2026年3月期(3年目)6,316億円432億円6.8%10.6%

見直し後に迎えた2026年3月期は、期初の会社予想(売上高6,180億円、営業利益410億円、純利益295億円)を、売上高・各利益とも上回った。第3四半期決算の時点では、予想は売上高6,245億円、営業利益420億円、純利益300億円になっていた。

2026年3月期の連結業績は、売上高6,316億円(前年度比4.1%増)、営業利益432億円(同1.6%減)、経常利益434億円(同2.9%減)、純利益315億円(同2.5%増)だった。純利益の増加について、有価証券報告書は「政策保有株式の縮減を進めた結果」と記している。投資有価証券売却益などの特別利益27億円が寄与した。事業別では、機工事業の売上高が3,075億円(同8.5%増)と伸び、物流事業の営業利益は98億円(同1.5%増)だった。

株主還元では、2026年3月期に約200億円の自己株式を取得し、年間配当を246円(前年度232円)とした。2026年5月には、上限200億円の自己株式取得を新たに決議している。非財務の目標では、CO2排出量(2020年度比)の2025年度の削減率が22.2%で、2026年度の目標は18%削減である。

答え合わせ⑤:Vision2030を更改し、ROE14.6%以上を掲げた

2026年、同社は「Vision2030」を更改した。2026年6月の有価証券報告書は、「2030年度の過去最高水準のROE実現に向けた「Vision2030更改」を発表いたしました」と記している。2030年度(2031年3月期)の目標は、次のように変わった。

指標更改前(2031年3月期)更改後(2031年3月期)2026年3月期 実績
売上高7,000億円以上7,500億円+α6,316億円
営業利益率8.0%以上8.0%以上6.8%
ROE(目標なし)14.6%以上10.6%
ROIC10.0%水準10.0%水準—
自己資本2,700億円水準3,000億円水準—
管理コスト(売上対比)(目標なし)11.0%⇒10.0%水準—
従業員エンゲージメント(目標なし)50.0%以上43.8%

有価証券報告書の5年間の指標の表では、2019年3月期のROEが14.6%である。更改では、事業・財務・非財務の3つの視点で方針を整理し、財務では「エクイティガバナンスへの移行」、非財務では「人的資本の再生産」を掲げた。M&Aは「従来の既存サービス維持から、業域の拡大と新規サービスの獲得を重視」するとしている。同社は今後、「中期経営計画2030」として具体的な内容を開示する予定である。

答え合わせ⑥:最終年度の会社予想は、営業利益470億円

2026年5月、同社は中期経営計画2026の最終年度にあたる2027年3月期の会社予想を、売上高6,385億円、営業利益470億円、経常利益455億円、純利益330億円とした。営業利益の予想は、見直しの資料が示した2027年3月期の計画(470億円)と同じ額である。売上高の予想は、見直し後の目標6,600億円以上を下回る。予想から算出した営業利益率は7.4%である。

2026年4〜6月の第1四半期は、売上高1,546億円、営業利益102億円(前年同期は96億円)、純利益89億円(同63億円)だった。通期の予想は、2026年7月31日時点で据え置かれている。中期経営計画2026の答えは、2027年3月期の通期決算で示される。

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経営哲学

「人の力」で企業価値の最大化を図る

2026年4月1日付のIR向けの社長メッセージは、「「人の力」で企業価値の最大化を図る」と題されている。中村氏は、人手不足や物価上昇などの環境の変化に触れたうえで、次のように記している。

当社の最大の財産である「人×技能・技術」の総和量を増やしていきながら「山九にしかできないサービス」の提供に取組み、現場、そして企業の価値を高め、持続的に成長していくことを目指してまいります。

水のように、しなやかに業容を変える

会社サイトのトップメッセージで、中村氏は同社の歩みを次のように説明している。

当社は社員一人ひとりが目の前の仕事に真摯に向き合い、技能・技術を磨き上げることで、お客様のニーズの変化に迅速に対応しながら発展してきました。それは、まるで様々な器に合わせて自在に形を変える水のように、しなやかに業容を変えつつ、お客様の事業を支える欠かせない存在を目指してきました。

続けて、「今までも、そしてこれからも「人が生み出す価値」の最大化に取り組みながら、あらゆる産業を支え社会の発展に貢献していきます」と記している。

株主と対話を重ねる

同じIR向けのメッセージは、株主への言葉で結ばれている。

これからも株主の皆さまと対話を重ね、ご期待に応えるべく、企業価値の向上と継続的な利益還元を追求してまいりますので、株主の皆さまには今後とも変わらぬご支援を賜りますようお願い申し上げます。

CEO就任の翌月に公表された中期経営計画2026の見直しでは、会社として「企業価値向上タスクフォース」を組成し、経営層(社外取締役を含む)で「投資家目線」の議論を活発にするとしている。

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人物像

リーダーシップタイプ

人材起点型・資本収益性重視型。本人のメッセージでは、「人×技能・技術」を「当社の最大の財産」と位置づけ、「人の力」で企業価値の最大化を図ると記している。CEOとなった翌月には、会社が「資本収益性を重視した変革を、新 CEO のリーダーシップのもとで実行」するとして中期経営計画を見直した。経営企画部長、事業・エリア管掌を経て、39歳で社長 COOに就き、9年間COOとして会長CEOと経営にあたったのち、CEOとなった。

強み・特徴(編集部分析)

1. 経営企画と現場の管掌を経て社長に就いた

2012年から経営企画部長を務め、2013年にエリア統括、2014年に代表取締役専務取締役として事業・エリア管掌を担当した。社長 COOに就いたのは39歳である。

2. CEO就任直後、会社が資本収益性を重視して計画を見直した

2025年5月の見直しで、会社は「物流事業の収益目標値と実績値および予想値には乖離が生じて」いることを背景として示したうえで、売上高・営業利益率・ROICの目標を引き上げ、自己株式の取得額を700億円に増やした。2026年には、ROE14.6%以上を掲げてVision2030を更改した。

3. 「人×技能・技術」を価値の源泉に置く

IR向けのメッセージでは「人×技能・技術」の総和量を増やすことを掲げ、トップメッセージでは「人が生み出す価値」の最大化を挙げている。

発言・記載と実績の対応

発言・記載出典実績
「安定的に営業利益率5%以上を維持する」という目標は「上回ることができ」(会社の記載)有価証券報告書(2021年6月)中期経営計画2020の4年間の営業利益率 5.9%〜7.1%、D/Eレシオ 0.34〜0.20倍
「経営基盤を強化し、安定した財務体質と筋肉質な収益体質を構築」(会社の記載)中期経営計画2026 資料(2023年1月)中期経営計画2020+の営業利益率 6.2%・6.6%、D/Eレシオ 0.19倍・0.18倍
「資本収益性を重視した以下の変革を、新 CEO のリーダーシップのもとで実行してまいります」(会社の記載)中期経営計画2026 見直しのお知らせ(2025年5月)2026年3月期 売上高6,316億円、ROE10.6%(見直し後の2027年3月期目標 6,600億円以上・10%)
「2030年度の過去最高水準のROE実現に向けた「Vision2030更改」」(会社の記載)有価証券報告書(2026年6月)2031年3月期のROE目標14.6%以上。2026年3月期のROE10.6%
「企業価値の向上と継続的な利益還元を追求してまいります」IR社長メッセージ(2026年4月)発言時点の関連実績(発言後の成果ではない):2026年3月期 年間配当246円(前年度232円)、自己株式の取得 約200億円
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編集部総評

中村氏の社長在任10年半のうち、9年間は会長の中村公一氏がCEOを務め、公大氏は社長 COOとして経営にあたった。この期間の中期経営計画2020と、2年延長した中期経営計画2020+は、「営業利益率5.0%以上」「D/Eレシオ0.6以下」の維持を目標とし、6年間いずれの年も2つの目標を達成した。2018年3月期と2019年3月期には、売上高と各利益が過去最高を更新した。会社は2020+の総括で、人材の採用・定着やDXの推進、低収益事業の改善を「残された課題」としている。

2025年4月にCEOとなった中村氏の下で、同社は翌月に中期経営計画2026を見直した。会社は物流事業で「収益目標値と実績値および予想値には乖離が生じて」いたことを背景に挙げ、そのうえで売上高・営業利益率・ROICの目標を引き上げ、株主還元を厚くした。見直し後の2026年3月期は、売上高・各利益とも期初の会社予想を上回り、ROEは10.6%となった。

中期経営計画2026は最終年度の2027年3月期に入っている。会社予想は営業利益470億円と見直し時の計画と同額で、売上高は目標の6,600億円以上に対して6,385億円である。そのうえで、ROE14.6%以上を掲げたVision2030の更改と、これから示される「中期経営計画2030」の中身が見どころになる。

今後の焦点として読み取れる点

  • 2027年3月期の会社予想(売上高6,385億円・営業利益470億円・純利益330億円)。第1四半期の営業利益は102億円(前年同期96億円)で、予想は据え置き
  • 中期経営計画2026の最終年度の目標(売上高6,600億円以上・営業利益率7.1%以上・ROIC9.0%・ROE10%)と、4年間で700億円の自己株式取得
  • 物流事業のコスト構造の見直しと、機工事業への人的投資
  • Vision2030更改の目標(2031年3月期 売上高7,500億円+α・営業利益率8.0%以上・ROE14.6%以上)と、「中期経営計画2030」の開示
  • 本人が「最大の財産」とする「人×技能・技術」と、従業員エンゲージメント(目標50.0%以上、2026年3月期43.8%)

参考情報

出典

  • 有価証券報告書 第117期(2026年3月期・2026年6月25日提出・主要な経営指標等の推移は1〜2/151ページ、経営方針・Vision2030更改・中期経営計画2026・目標とする経営指標は10〜14/151ページ、CO2排出量の進捗は20/151ページ、経営成績と分析は28〜32/151ページ、自己株式の取得と配当政策は44〜46/151ページ、取締役会の活動状況と役員の状況は53〜57/151ページ)

`https://disclosure2dl.edinet-fsa.go.jp/searchdocument/pdf/S100YJRS.pdf`

  • 有価証券報告書 第116期(2025年3月期・2025年6月26日提出・中期経営計画2026の見直し前/見直し後の目標)

`https://disclosure2dl.edinet-fsa.go.jp/searchdocument/pdf/S100W1SE.pdf`

  • 有価証券報告書 第115期(2024年3月期・2024年6月26日提出)、第114期(2023年3月期・2023年6月23日提出・中期経営計画2026の当初の目標)

`https://disclosure2dl.edinet-fsa.go.jp/searchdocument/pdf/S100TQ4Z.pdf`

`https://disclosure2dl.edinet-fsa.go.jp/searchdocument/pdf/S100R0Q4.pdf`

  • 有価証券報告書 第113期(2022年3月期)、第112期(2021年3月期・中期経営計画2020+への延長と営業利益率5%以上の評価)

`https://disclosure2dl.edinet-fsa.go.jp/searchdocument/pdf/S100OBS1.pdf`

`https://disclosure2dl.edinet-fsa.go.jp/searchdocument/pdf/S100LLTP.pdf`

  • 有価証券報告書 第111期(2020年3月期)、第110期(2019年3月期)、第109期(2018年3月期・中期経営計画2020の目標と過去最高の記載)

`https://disclosure2dl.edinet-fsa.go.jp/searchdocument/pdf/S100IUDX.pdf`

`https://disclosure2dl.edinet-fsa.go.jp/searchdocument/pdf/S100G42B.pdf`

`https://disclosure2dl.edinet-fsa.go.jp/searchdocument/pdf/S100DAJI.pdf`

  • 有価証券報告書 第108期(2017年3月期・2017年6月28日提出・中期経営計画の1年前倒し終了)、第107期(2016年3月期・2016年6月28日提出)

`https://disclosure2dl.edinet-fsa.go.jp/searchdocument/pdf/S100AIVB.pdf`

`https://disclosure2dl.edinet-fsa.go.jp/searchdocument/pdf/S1007T0B.pdf`

  • 「Vision2030」、「中期経営計画 2026」策定に関するお知らせ(2023年1月30日・前長期ビジョン期の計画は9ページ、中期経営計画2020+の総括は15ページ、2026年度の数値目標は29ページ、資本政策は30〜31ページ)

`https://www.sankyu.co.jp/pdf/ir/management/00.pdf`

  • 「中期経営計画 2026」の見直しに関するお知らせ(2025年5月12日・見直しの背景と内容は1ページ、経営目標値は5ページ)

`https://www.sankyu.co.jp/pdf/ir/management/01.pdf`

  • 中期経営計画2026、Vision2030(山九 ウェブサイト)

`https://www.sankyu.co.jp/ir/management/midplan.html`

`https://www.sankyu.co.jp/ir/management/plan.html`

  • 社長メッセージ(IR・2026年4月1日)、トップメッセージ

`https://www.sankyu.co.jp/ir/management/greeting.html`

`https://www.sankyu.co.jp/company/greeting.html`

  • 役員一覧、会社概要、沿革(山九 日本語・英語ウェブサイト。略歴とローマ字表記の確認)

`https://www.sankyu.co.jp/company/officer.html`

`https://www.sankyu.co.jp/en/company/officer.html`

`https://www.sankyu.co.jp/company/outline.html`

`https://www.sankyu.co.jp/company/history1.html`

注記

  • 本記事は、山九株式会社が公表した資料を中心に構成し、会社予想と四半期の数値はデータ提供サービスで補っています。取材は行っていません
  • 同社の決算期は3月です。本記事は「2026年3月期」のように決算期で表記しています。同社の資料の「2026年度」は2027年3月期、「2030年度」は2031年3月期にあたります。中期経営計画2020(2017年度〜2020年度)は2018年3月期〜2021年3月期、中期経営計画2020+(2021年度〜2022年度)は2022年3月期〜2023年3月期、中期経営計画2026(2023年度〜2026年度)は2024年3月期〜2027年3月期です
  • 同社は日本の会計基準を採用しています。「純利益」は、親会社株主に帰属する当期純利益です
  • 2016年4月から2025年3月までのCEOは、代表取締役会長の中村公一氏です。この期間の中期経営計画は、会社の計画として記載しています。続柄は有価証券報告書の記載によります
  • 営業利益率は、有価証券報告書の売上高と営業利益から編集部が算出しました(小数第2位を四捨五入)。2023年1月の同社資料のグラフでは、2017年3月期(2016年度)の営業利益率は5.4%と表示されています。売上高・営業利益は億円未満を四捨五入しています。2025年3月期の営業利益は439億4,500万円、2026年3月期は432億4,000万円です
  • D/Eレシオは、各年の有価証券報告書の記載です。2018年3月期の0.34倍は、2019年3月期の有価証券報告書の「前連結会計年度末を0.14下回る0.20倍」から算出しました
  • 中期経営計画2016の数値目標、中期経営計画2026の海外売上高成長率とROICの実績は、確認した資料に記載が見当たりません(確認日2026-10-07)
  • 中期経営計画2026の見直し後の目標は、2025年6月の有価証券報告書では「6,600億円」「7.1%」、2026年6月の有価証券報告書では「6,600億円 以上」「7.1% 以上」と表示されています。当初の目標のROE(10%水準)と総還元性向・自己株式の取得額は、2023年1月の資料と2025年6月の有価証券報告書の表示です
  • 2026年3月期の期初予想は、見直しの資料(2025年5月12日)とデータ提供サービス経由で確認した決算短信の数値です。第3四半期時点の予想、2027年3月期の会社予想と第1四半期の数値は、データ提供サービス経由で確認した決算短信の数値です。第2四半期決算時点の予想は確認していません
  • 2026年3月期の自己株式の取得額は、有価証券報告書の「当事業年度における取得自己株式」の価額の総額(199億9,902万円)です
  • Vision2030更改の目標は、2026年6月の有価証券報告書と会社サイトの表示です。更改の公表日は、確認した資料に記載が見当たりません。従業員エンゲージメントの2026年3月期の値は、会社サイトで「サーベイ項目を充実化」と注記されています
  • 引用した本人の言葉は、会社サイトのIR向け社長メッセージ(2026年4月1日付)とトップメッセージ(いずれも「代表取締役社長CEOの中村です。」で始まる一人称の文章)からのものです。中期経営計画の資料・お知らせ、有価証券報告書の記載は、会社の記載として扱っています
  • 学歴と入社前の経歴は、確認した資料(有価証券報告書、会社サイトの役員一覧)に記載が見当たりません(確認日2026-10-07)
  • 英語のローマ字表記は、会社の英語サイト(翻訳サービスによる表示)の役員一覧によります