織田 寛明芙蓉総合リース株式会社 代表取締役社長
LEADER 045
LEADER PROFILE

織田 寛明

Hiroaki Oda
芙蓉総合リース株式会社
代表取締役社長

非財務の多くを前倒しで達成し、利益目標は据え置いた。

織田 寛明

概要

芙蓉総合リース株式会社の代表取締役社長、織田寛明氏。2022年4月に就任した。在任は、2026年9月末時点で4年6か月にあたる。

同社は、1969年に芙蓉グループ6社を株主として設立された総合リース会社である。織田氏の在任期間は、5か年の中期経営計画「Fuyo Shared Value 2026」(FSV2026・2022年度〜2026年度)の期間と重なる。計画は就任直前の2022年3月25日に公表され、2025年3月28日に見直しを経た。最終年度は2027年3月期で、現在進行中である。財務目標4項目の推移は、次のとおりである。

時点経常利益ROA(営業資産経常利益率)自己資本比率ROE
計画の起点(2022年3月期)527億円2.06%11.3%10.6%
3年目(2025年3月期)690億円(中間目途値 640億円〜660億円)2.3%13.3%10.0%
4年目(2026年3月期)382億円1.2%13.1%4.4%
最終年度の目標(2027年3月期)750億円2.5%13%〜15%10%以上
2027年3月期 会社予想750億円———

3年目の2025年3月期、経常利益は690億円となり、計画が置いた中間目途値(640億円〜660億円)を超える水準に届いた。織田氏はこの3年間を「全体業績としてはラップを達成し」と振り返っている。2025年3月の見直しでは、財務目標を変えずに据え置いた。

4年目の2026年3月期は、営業利益・経常利益・当期純利益のいずれも、期中に修正した後の会社予想を達成した。経常利益は382億円で、海外の再生可能エネルギー案件で損失を計上したことにより、前の年度から44.6%減った。非財務目標では、CO2削減貢献量や人材育成関連費用など多くの項目で、最終年度の目標値に1年早く届いた。最終年度の会社予想は、経常利益750億円と、計画の目標と同じ額である。

COMPANY
芙蓉総合リース株式会社
SALES
7,886億6,900万円
EMPLOYEES
4,410名
PRESIDENT SINCE
2022年4月
01

経歴

時期役職
1986年4月株式会社富士銀行 入行
2009年5月株式会社みずほ銀行 神田支店神田法人部長
2013年4月株式会社みずほコーポレート銀行 営業第十一部長
2014年4月株式会社みずほ銀行 執行役員 営業第十一部長
2016年5月芙蓉総合リース株式会社 常務執行役員
2021年4月副社長執行役員
2021年6月代表取締役副社長
2022年4月代表取締役社長(現任)

1963年生まれ。1986年4月に富士銀行に入行し、みずほ銀行の神田支店神田法人部長、九段支店九段第一部長、みずほコーポレート銀行の営業第十一部長を経て、2014年4月にみずほ銀行の執行役員となった。2016年4月に同行を退き、翌5月に芙蓉総合リースの常務執行役員に就いた。2021年6月に代表取締役副社長、2022年4月に代表取締役社長となり、社長執行役員を兼ねる。

社長の交代については、同社は2022年3月9日に代表取締役の異動に関する臨時報告書を提出している。前任の社長は辻田泰徳氏で、2022年4月から取締役会長を務める。会社サイトの役員一覧(2026年10月5日確認)では、織田氏の担当は「会社業務全般」である。有価証券報告書によると、2025年度の取締役会には12回すべてに出席した。

02

会社データ

項目内容
社名芙蓉総合リース株式会社
本店所在地東京都千代田区麹町五丁目1番地1
上場市場東京証券取引所 プライム市場(証券コード8424)
連結売上高7,886億円(2026年3月期)
連結経常利益382億円(2026年3月期)
連結従業員数4,410人(2026年3月31日現在)

同社は、1969年5月に丸紅飯田(現 丸紅)、富士銀行(現 みずほ銀行)を中心とする芙蓉グループ6社を株主として設立された。機械・器具備品のリース、不動産リース、割賦販売、金銭の貸付などを営み、セグメントは「リース及び割賦」「ファイナンス」「その他」の3つである。グループは子会社241社(国内201社、海外40社)と関連会社23社で構成される。2026年3月期末の営業資産残高は3兆2,531億円。会計は日本の基準による。

03

人物の軌跡

答え合わせ①:就任とともに始まった計画は、経常利益750億円を最終年度の目標に置いた

FSV2026は、2022年3月25日に公表された。織田氏の社長就任の1週間前で、当時の織田氏は代表取締役副社長だった。計画期間は2022年度から2026年度までの5年間で、織田氏の在任期間と重なる。

計画の資料は、前の中期経営計画「Frontier Expansion 2021」(2017年度〜2021年度・辻田氏の社長時代)について、「経営目標3項目(経常利益 500億円、ROA 2.0%、営業資産残高 2.5兆円)はいずれも超過達成」と振り返っている。FSV2026は、その最終年度の実績を起点に、次の財務目標を掲げた。

指標実績(2022年3月期)目標(2027年3月期)
経常利益527億円750億円
ROA(営業資産経常利益率)2.06%2.5%
自己資本比率11.3%13%〜15%
ROE10.6%10%以上

経常利益には、3年目の2025年3月期の中間目途値として「640億円~660億円を想定」と注記している。あわせて、CO2の削減貢献、脱炭素推進に向けた資金投下額(5年間累計3,000億円)、お客様の業務量削減時間、人材育成関連費用などの非財務目標を掲げた。会社サイトのトップメッセージは、この計画について「経営目標として非財務目標を財務目標と同じ位置づけに掲げ」と説明している。

答え合わせ②:3年目、経常利益は690億円で、中間目途を超える水準に届いた

計画の1年目から3年目まで、財務目標4項目は次のように推移した。

指標2023年3月期2024年3月期2025年3月期最終年度の目標
経常利益597億円684億円690億円750億円
ROA2.3%2.4%2.3%2.5%
自己資本比率11.6%12.7%13.3%13%〜15%
ROE11.1%11.8%10.0%10%以上

経常利益は3年続けて増え、2025年3月期に690億円となった。中間目途値の640億円〜660億円を超える水準である。同社の10年分のデータでは、経常利益は2017年3月期の314億円から2025年3月期の690億円まで、毎期増えている。自己資本比率の13.3%は、最終年度の目標「13%〜15%」の範囲内に入った。ROEは3年間とも、最終年度の目標「10%以上」の水準にあった。

織田氏は、統合報告書2025のトップメッセージで、3年間を次のように振り返っている。

振り返りますと、全体業績としてはラップを達成し、一定の成果を上げた一方で、個別に見るとトランスフォーメーションゾーンの事業領域の一部で伸び悩む状況もあり、成長の難しさを改めて実感しています。この3年を総括すると、ぎりぎり合格点と私は受け止めています。

同じメッセージでは、航空機部門の2024年度の経常利益が100億円を超えたことを挙げ、「不動産部門以外に経常利益100億円を超える柱が育ち始めたことは、大きな前進だと考えています」と述べている。

答え合わせ③:見直しでは、財務目標を据え置いた

2025年3月28日、同社は「中期経営計画 <Update>」を公表した。資料は、「足元の経営環境を踏まえて事業戦略の見直しを実施も、財務目標については変更せず」と記している。織田氏も統合報告書2025で、「全体の財務目標については当初目標を据え置きました」と述べている。

見直したのは、非財務目標の一部と株主還元の方針である。EV・FCVの目標は、「EV普及を取り巻く環境変化を踏まえ」、芙蓉オートリースの保有台数に占める比率30%から、同社とヤマトリースの新規成約台数に占める比率5%へ改めた。配当性向は、最終年度に「32%以上(当初見通し対比+2pt)を目指す」とした。理由は「中期経営計画の順調な進捗に伴い、収益基盤・財務基盤の充実・強化が進展していることを踏まえ」と記されている。

答え合わせ④:4年目は、修正後の予想を各利益で達成した

2026年3月期の連結業績は、売上高7,886億円(前年度比16.3%増)、営業利益405億円(同37.4%減)、経常利益382億円(同44.6%減)、当期純利益216億円(同52.4%減)だった。契約実行高は2兆2,011億円(同19.4%増)、営業資産残高は3兆2,531億円(同5.9%増)と増えている。

指標役員報酬の評価に用いる年度計画(2026年3月期)実績(2026年3月期)最終年度の目標
経常利益702億円382億円750億円
ROA2.3%1.2%2.5%
自己資本比率13.2%13.1%13%〜15%
ROE10%以上4.4%10%以上

年度計画の経常利益702億円は、有価証券報告書の業績連動報酬の表に記載された計画値で、公表された期初の業績予想700億円とは別の数値である。

有価証券報告書によると、利益の減少は、エネルギー環境事業の海外の再生可能エネルギー関連の一部案件で損失を計上したことによる。欧州で再生可能エネルギー事業の開発資金を調達する取引先への債権のうち、スペインの一部プロジェクトで資金不足による開発の遅れが判明し、同社は回収に不確実性があると判断した。売上原価247億円、貸倒引当金繰入額23億円などを計上している。統合報告書2026は、この損失を除いた経常利益を「716億円」(会社の算出)と示している。

同社は期中に通期の業績予想を下方修正した。経常利益の予想は、期初の700億円から、修正後は380億円となった。織田氏は、会社サイトのIRページ「株主・投資家の皆様へ」(2026年5月)で、次のように記している。

2026年3月期の連結業績は、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益の各利益項目において、修正後の業績予想を達成いたしました。

同じページでは、リスク管理態勢の高度化に向けて専門組織を新設し、「2026年4月1日より新体制を始動させております」と記している。配当は、期初の予想どおり1株158円とした。

答え合わせ⑤:非財務目標は、多くの項目で1年早く目標値に届いた

FSV2026は、非財務目標を財務目標と並べて掲げた。4年目を終えた時点の主な項目は、次のとおりである。

項目実績(2026年3月期)最終年度の目標
CO2の削減貢献量57万t-CO2/年50万t-CO2/年
再エネ発電容量1,014MW1,000MW
脱炭素推進に向けた資金投下額(5年間累計)3,611億円3,000億円
新規成約台数におけるEV・FCV比率(芙蓉オートリース・ヤマトリース)7.2%5%(2025年3月に見直し)
お客様の業務量削減時間(2021年度比)+110万時間+100万時間
人材育成関連費用(単体・2021年度比)310%300%
返却物件のリユース・リサイクル率100%100%
廃プラスチック(返却物件由来)の、焼却を伴わない再資源化率(マテリアル/ケミカルリサイクル)95.6%100%

統合報告書2026は、CO2削減貢献量、お客様の業務量削減時間、人材育成関連費用に「前倒し達成」と表示し、再エネ発電容量についても「27/3期目標を前倒しで達成しました」と記している。織田氏は、同じ報告書のトップメッセージで「特に非財務面では多くの指標で5年間の目標を1年前倒しで達成しました」と述べている。

答え合わせ⑥:最終年度の会社予想は、目標と同じ経常利益750億円

2026年5月、同社は最終年度の2027年3月期の会社予想を、営業利益700億円、経常利益750億円、当期純利益480億円とした。経常利益の予想は、FSV2026の目標と同じ額である。2026年6月提出の有価証券報告書も、「目標とする経営指標」に2027年3月期の目標として経常利益750億円、ROA2.5%、自己資本比率13%〜15%、ROE10%以上を掲げている。

2026年4〜6月の第1四半期は、経常利益207億円(前年同期は186億円)、当期純利益140億円だった。通期の予想は据え置かれている。経常利益の通期予想に対する進捗率は27.6%(編集部算出)である。

統合報告書2026で、財務担当の代表取締役副社長、岸田勇輔氏は、財務目標について「最終年度のゴール達成にあとひと踏ん張りのところまで来ていると考えています」と記している。同社は、次期中期経営計画の策定も進めているとしている。FSV2026の答えは、2027年3月期の通期決算で示される。

04

経営哲学

CSVは「お客さまの課題」から入る

FSV2026は、CSV(Creating Shared Value:共有価値の創造)を経営の軸に据えている。織田氏は、統合報告書2026のトップメッセージで、CSVの捉え方を次のように語っている。

私はCSVを、「お客さまの課題を解決することで、信頼を獲得し、社会価値と経済価値を同時に生み出していく経営」だと考えています。

続けて、「大事なのは、社会課題から入るのではなく、お客さまの課題から入ることです」と述べている。社内への伝え方についても、「そこで私は、CSVをもっと日々の仕事に引き寄せて伝えてきました」と語り、その言葉を「お客さまの経営課題を解決することが、結果として社会課題の解決につながり、同時に当社グループのビジネスにもなる」とまとめている。

「脱金融・脱リース」という言葉にこだわらない

リース会社の役割の広げ方について、織田氏は次のように語っている。

私は「脱金融・脱リース」という言葉そのものに、強いこだわりはありません。大事なのは、お客さまの課題に最適な答えを出すことです。資金ニーズがあるなら金融機能でしっかり応えればよい。

そのうえで、金融・リースの機能だけでは解決できない課題が増えているとし、技術や専門性を持つ企業とのアライアンスやM&Aの重要性を挙げている。今後の成長領域としては、「物流、モビリティ、まちづくりなどに大きな可能性があると考えています」としている。在任中、同社はCBホールディングス(2025年1月)、ワコーパレット(2025年3月)を子会社化し、2025年9月にはSouthwest Rail Industriesの持分50%を取得して持分法適用関連会社とし、貨車リース事業に参画した。

損失から得た教訓

2025年度の海外再生可能エネルギー案件の損失について、織田氏は次のように語っている。

再生可能エネルギー事業で昨年度大きな損失を出したことで、新たな事業に進出する際の重要な教訓を得ることができました。経営として、多額の損失による業績への影響を重く受け止めるとともに、新たな成長領域への挑戦にあたっては、必要なプロフェッショナリティーを様々な形で取り込み、確保し、リスク管理の高度化と一体で進めることが不可欠であると改めて認識しました。

同じ章の見出しは「プロフェッショナルでなければ、お客さまの課題は解決できない」である。

「壁打ちの達人」と、最後は自分の頭で

人材と組織について、織田氏は「この4年間、私が特に力を入れてきたのは、社員が安心して挑戦できる環境づくりです」と語る。そのうえで、組織が「考え抜く組織」へ進みつつあるとし、次のように述べている。

私は以前から「壁打ちの達人になってほしい」と繰り返し言ってきました。

AIについては、「私は社員に、「AIをどんどん使いなさい。でも最後は自分の頭で考えなさい」と伝えています」と語っている。

05

人物像

リーダーシップタイプ

顧客起点型・言語化型。CSVという経営の軸を、「お客さまの課題から入る」という日々の仕事の言葉に置き換えて社内に伝えてきたと語っている。中期経営計画の進み具合については、3年目に「ラップを達成」「ぎりぎり合格点」と自身の言葉で採点し、見直しでは財務目標を据え置いた。損失を計上した年度の後には、その受け止めと教訓を署名入りの文書で述べている。銀行の法人営業の部長職を重ね、2016年に同社へ移ってから社長就任まで約6年、常務執行役員、副社長を務めた。

強み・特徴(編集部分析)

1. 進み具合を自分の言葉で採点する

統合報告書2025では、3年間を「ぎりぎり合格点」と総括した。良かった点と伸び悩んだ点を、部門ごとに分けて述べている。

2. 財務目標を動かさない

2025年3月の見直しでは、事業戦略と一部の非財務目標を改める一方、財務目標4項目は当初のまま据え置いた。2026年3月期に損失を計上した後も、有価証券報告書の目標は経常利益750億円のままで、最終年度の会社予想も同じ額としている。

3. 非財務目標を含む計画の進捗を説明する

就任前に公表された計画を引き継ぎ、非財務目標を含めて進捗を示している。FSV2026は、非財務目標を財務目標と同じ位置づけに掲げた計画である。4年目を終えた時点で、CO2削減貢献量、業務量削減時間、人材育成関連費用、再エネ発電容量などが最終年度の目標値に届いている。業績連動報酬の指標にも、脱炭素推進に向けた資金投下額と人材育成関連費用が入っている。

4. 社員に「考え抜く」ことを求める

「壁打ちの達人」という言葉で、提案や仮説を繰り返し深めることを社員に求めている。AIの活用を勧めながら、最後は自分の頭で考えることを重視している。

発言・記載と実績の対応

発言・記載出典実績
「全体業績としてはラップを達成し」統合報告書2025 トップメッセージ2025年3月期 経常利益690億円(中間目途値640億円〜660億円)、自己資本比率13.3%、ROE10.0%
「全体の財務目標については当初目標を据え置きました」統合報告書2025 トップメッセージ2025年3月のUpdate資料「財務目標については変更せず」。2026年6月の有価証券報告書でも経常利益750億円の目標を掲載
「修正後の業績予想を達成いたしました」IRページ「株主・投資家の皆様へ」(2026年5月)2026年3月期 経常利益382億円(修正後の予想380億円)、営業利益405億円(同340億円)、当期純利益216億円(同170億円)
「特に非財務面では多くの指標で5年間の目標を1年前倒しで達成しました」統合報告書2026 トップメッセージCO2削減貢献量57万t(目標50万t)、業務量削減時間+110万時間(同+100万時間)、人材育成関連費用310%(同300%)。廃プラスチック(返却物件由来)の焼却を伴わない再資源化率は95.6%(同100%)
「不動産部門以外に経常利益100億円を超える柱が育ち始めた」統合報告書2025 トップメッセージ航空機部門の2024年度の経常利益が100億円超(本人の記載)
「専門組織を新設し、2026年4月1日より新体制を始動させております」IRページ「株主・投資家の皆様へ」(2026年5月)有価証券報告書に「リスク管理高度化に向けた専門部署の新設を決定するなど、体制整備を進めました」
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編集部総評

織田氏の在任期間は、5か年の中期経営計画FSV2026の期間とそのまま重なる。計画の前半、経常利益は527億円から597億円、684億円、690億円と3年続けて増え、3年目には中間目途値の640億円〜660億円を超える水準に届いた。自己資本比率は目標の範囲に入り、ROEは10%以上の水準を保った。本人はこの3年間を「ぎりぎり合格点」と採点し、2025年3月の見直しでは財務目標を据え置いた。

4年目の2026年3月期は、海外の再生可能エネルギー案件の損失により、経常利益が382億円となった。会社は期中に予想を修正し、各利益で修正後の予想を達成した。同じ年度に、非財務目標はCO2削減貢献量や人材育成関連費用など多くの項目で最終年度の目標値に届いている。非財務目標を財務目標と同じ位置に置くという計画の考え方は、数字の上でも先に形になった。

最終年度の会社予想は、経常利益750億円と目標と同額である。損失を処理した年の翌年に、当初の目標額をそのまま予想に置いたことになる。財務担当役員は「あとひと踏ん張り」と記し、社長自身は損失から得た教訓として、リスク管理の高度化と一体で新しい領域に挑む考えを示している。目標の達成と、次期中期経営計画の中身が、在任5年目の見どころになる。

今後の焦点として読み取れる点

  • 2027年3月期の会社予想(営業利益700億円・経常利益750億円・当期純利益480億円)。第1四半期の経常利益は207億円で、進捗率27.6%(編集部算出)、予想は据え置き
  • ROA2.5%、ROE10%以上の目標。2026年3月期はROA1.2%、ROE4.4%
  • 2026年4月に始動したリスク管理の新体制と、エネルギー環境事業の今後。統合報告書2026は、蓄電池関連事業やNon-FIT発電事業を中心に営業資産を積み上げるとしている
  • 三井住友トラスト・パナソニックファイナンスの共同事業化(三井住友信託銀行、横浜フィナンシャルグループとの基本合意・有価証券報告書)
  • 次期中期経営計画(公表時期は未公表)。統合報告書2026は「来年度から始まる新中期経営計画」を検討中としている

参考情報

出典

  • 有価証券報告書 第57期(2026年3月期・2026年6月19日提出・主要な経営指標等の推移は1/209ページ、目標とする経営指標は15/209ページ、経営成績と損失の計上は29/209ページ、役員の状況は69/209ページ、業績連動報酬の指標と目標値は85/209ページ)

`https://disclosure2dl.edinet-fsa.go.jp/searchdocument/pdf/S100YF6A.pdf`

  • 有価証券報告書 第53期(2022年3月期・2022年6月27日提出・提出書類の一覧)

`https://disclosure2dl.edinet-fsa.go.jp/searchdocument/pdf/S100OELK.pdf`

  • 中期経営計画「Fuyo Shared Value 2026」(2022年3月25日・2022年5月に実績値を反映)

`https://www.fgl.co.jp/ir/management/pdf/management-plan.pdf`

  • 中期経営計画「Fuyo Shared Value 2026」<Update>(2025年3月28日)

`https://www.fgl.co.jp/ir/management/pdf/management-plan2.pdf`

  • 中期経営計画(芙蓉総合リース ウェブサイト)

`https://www.fgl.co.jp/ir/management/plan.html`

  • 株主・投資家の皆様へ(芙蓉総合リース ウェブサイト IR情報・2026年5月)

`https://www.fgl.co.jp/ir/management/message.html`

  • トップメッセージ(芙蓉総合リース ウェブサイト)

`https://www.fgl.co.jp/fgl/message.html`

  • 統合報告書2026「トップメッセージ」「価値創造の歴史」「At a Glance」「財務担当役員メッセージ」「エネルギー環境」「モビリティ/ロジスティクス」「財務・非財務データ集(10年間)」

`https://www.fgl.co.jp/sustainability/pdf/integrated26.pdf`

  • 統合報告書2025「トップメッセージ」

`https://www.fgl.co.jp/sustainability/pdf/integrated25.pdf`

  • 役員一覧(芙蓉総合リース 日本語・英語ウェブサイト。担当とローマ字表記の確認)

`https://www.fgl.co.jp/fgl/officer/`

`https://www.fgl.co.jp/eng/fgl/officer/`

注記

  • 本記事は、芙蓉総合リース株式会社が公表した資料を中心に構成し、会社予想と四半期の数値はデータ提供サービスで補っています。取材は行っていません
  • 同社の決算期は3月です。本記事は「2026年3月期」のように決算期で表記しています。同社の資料の「2025年度」「26/3期」は2026年3月期にあたります。「Fuyo Shared Value 2026」は、本記事ではFSV2026と略しています
  • 同社は日本の会計基準を採用しています。「当期純利益」は、親会社株主に帰属する当期純利益です。ROAは、同社の定義による営業資産経常利益率です
  • FSV2026の財務目標は、最終年度(2027年3月期)の単年度の値です。経常利益の中間目途値(640億円~660億円)は、2022年の計画資料の注記によるものです
  • 計画の起点のROA2.06%は計画資料の値で、統合報告書2026の10年データ集では2.1%と表示されています
  • 2026年3月期の「年度計画」は、有価証券報告書の業績連動報酬の表に記載された計画値です。2026年3月期の期初と修正後の会社予想、2027年3月期の会社予想、四半期の数値は、データ提供サービス経由で確認した決算短信の数値です。業績予想の修正の公表日は、確認した資料では特定できていません(確認日2026-10-05)
  • 同社は2025年10月23日に、取引先に対する債権の取立不能または取立遅延のおそれに関する臨時報告書を提出しています(有価証券報告書の提出書類の一覧による)
  • 当期純利益216億円は統合報告書2026の10年データ集の表示で、有価証券報告書の値は215億6,500万円です。損失の内訳(売上原価247億6,600万円、貸倒引当金繰入額23億100万円など)は有価証券報告書の記載です
  • 「経常利益の通期予想に対する進捗率27.6%」は編集部が算出しました。「経常利益は2017年3月期から2025年3月期まで毎期増えている」は、統合報告書2026の10年データ集から編集部が読み取ったものです
  • 非財務目標の実績は、有価証券報告書の「目標とする経営指標」の表と統合報告書2026の記載によります。「前倒し達成」は統合報告書2026の表示です
  • 引用した本人の言葉は、統合報告書2026・2025のトップメッセージ(いずれも署名「代表取締役社長 織田 寛明」)と、会社サイトのIRページ「株主・投資家の皆様へ」(2026年5月・署名「代表取締役社長 織田 寛明」)からのものです。会社サイトの「トップメッセージ」ページは、本文に署名・日付の記載がないため、会社の記載として扱っています。財務担当役員メッセージは、岸田勇輔氏の署名による記載です
  • FSV2026の策定に織田氏がどのように関わったかは、確認した資料に記載が見当たりません(確認日2026-10-05)。学歴も、確認した資料(有価証券報告書、会社サイトの役員一覧)に記載が見当たりません
  • PDFからの抽出では、段組みの文章が交互に混ざります。引用は、段組みの順に並べ直し、改行を詰めて掲載しています。全角・半角の表記は原文どおりです