堀 健一三井物産株式会社 代表取締役社長 CEO
LEADER 029
LEADER PROFILE

堀 健一

Kenichi Hori
三井物産株式会社
代表取締役社長 CEO

こだわると言った数字を、守った。

堀 健一

概要

三井物産株式会社の代表取締役社長 CEO、堀健一氏。2021年4月に社長へ就き、在任は5年5か月にあたる。

2023年5月、堀氏は就任後はじめての中期経営計画「中期経営計画2026 Creating Sustainable Futures」を発表した。最終年度である2026年3月期に向けて、同社は3つの数字を置いている。

中期経営計画2026の定量目標内容
基礎営業キャッシュ・フロー1兆円(2026年3月期)
当期利益(親会社の所有者に帰属)9,200億円(2026年3月期)
ROE3年間の平均で12%超

3年が経った2026年5月、同社はこの計画のレビューを公表した。資料の「中期経営計画2026 レビュー」の頁には、「基礎営業キャッシュ・フローは5期連続で1兆円規模を実現」「ROEと株主還元は目標を達成」という2つの見出しが並んでいる。

ROEは3年平均で12.5%。「12%超」という目標の上に着地した。

株主還元はさらに大きく動いている。当初の想定は基礎営業キャッシュ・フローに対して37%程度だったが、3年間の実績は53%超、総額で約1.6兆円となった。成長投資も3年累計で約2.4兆円——堀氏自身の言葉では「当初計画の約2倍の水準」である。

3年間を終えたあとの統合報告書で、堀氏はこの指標についてこう書いている。

ROE目標の達成には強くこだわっています。

達成したあとに、もう一度こだわると書いている。一方、当期利益は9,200億円の目標に対して8,340億円、基礎営業キャッシュ・フローは単年度で9,789億円だった。

そして2026年5月、同社は次の3年の目標を出した。2029年3月期に基礎営業キャッシュ・フロー1.2兆円、当期利益1.1兆円、そしてROE12%である。

COMPANY
三井物産株式会社
SALES
13兆9,952億2,200万円
EMPLOYEES
55,463名
PRESIDENT SINCE
2021年4月
01

経歴

有価証券報告書(第107期・2026年6月12日提出)の「役員の状況」に記載された略歴は次のとおり。

時期役職
1984年4月当社入社
2014年4月当社執行役員、経営企画部長 兼 韓国三井物産理事
2016年4月当社執行役員、ニュートリション・アグリカルチャー本部長
2017年4月当社常務執行役員、ニュートリション・アグリカルチャー本部長
2018年4月当社常務執行役員/同年6月 当社代表取締役、常務執行役員
2019年4月当社代表取締役、専務執行役員
2021年4月現職に就任(代表取締役 社長 CEO)

1962年1月2日生まれ。1984年に入社し、経営企画部長、ニュートリション・アグリカルチャー本部長などを経て2021年4月に社長へ就いた。前任の安永竜夫氏(2015年4月に社長CEO)は同じ2021年4月に代表取締役会長となっている。

🔑食料・農業の事業本部長から、総合商社の社長へ。同社の稼ぎ頭は金属資源セグメントであり、2026年3月期の基礎営業キャッシュ・フロー9,789億円のうち3,304億円をこのセグメントが占める。堀氏の経歴はその主軸とは異なる領域にある。

02

会社データ

項目内容
社名三井物産株式会社(MITSUI & CO., LTD.)
証券コード8031(東京証券取引所 プライム市場)
本店東京都千代田区大手町一丁目2番1号
決算期3月31日
会計基準IFRS
事業本部15本部
従業員数連結55,463名(2026年3月31日現在)
収益13兆9,952億22百万円(2026年3月期)
売上総利益1兆3,281億53百万円(同)
当期利益(親会社の所有者に帰属)8,339億71百万円(同)
親会社の所有者に帰属する持分8兆7,677億44百万円(同)
総資産20兆8,215億28百万円(同)
ROE(親会社所有者帰属持分利益率)10.22%(同・単年度)

2026年3月期のセグメント別の基礎営業キャッシュ・フローは次のとおり。

セグメント基礎営業キャッシュ・フロー
金属資源3,304億円
エネルギー2,704億円
モビリティ・デジタル・インフラ1,757億円
化学品1,026億円
イノベーション&コーポレートディベロップメント464億円
鉄鋼製品179億円
ウェルネスエコシステム78億円
その他/調整・消去277億円
連結合計9,789億円

🔑金属資源とエネルギーの2つで、全体の6割を超える。2026年3月期の金属資源セグメントの当期利益は2,536億円で、前期の2,854億円から318億円減っている。会社は要因として鉄鉱石価格と原料炭価格の下落を挙げている。資源価格の動きが、そのまま会社全体の利益の振れ幅になる構造である。

03

人物の軌跡

答え合わせ①:就任から2年で、自分の中期経営計画を出した

堀氏が社長に就いたのは2021年4月である。就任から2年後の2023年5月、同社は「中期経営計画2026 Creating Sustainable Futures」を公表した。堀氏が社長として策定した最初の中期経営計画にあたる。

計画期間は2024年3月期から2026年3月期までの3年間。当時の有価証券報告書(第104期)には、定量目標がこう書かれている。

2024年3月期の基礎営業キャッシュ・フローは8,700億円、当期利益(親会社の所有者に帰属)は8,800億円を計画します。また、新中期経営計画の最終年度である2026年3月期の基礎営業キャッシュ・フローは1兆円、当期利益(親会社の所有者に帰属)は9,200億円、ROEは新中期経営計画期間の3年間で平均12%超を目標とします。

3つの数字のうち、ROEだけが「3年間の平均」で置かれている。単年度ではなく期間の平均で測る、という設計である。

答え合わせ②:ROEは、12.5%で終えた

2026年5月、同社は中期経営計画2026のレビューを公表した。

指標定量目標実績
ROE3年平均で12%超12.5%

3年間の単年度の値は、15.3%(2024年3月期)、11.9%(2025年3月期)、10.2%(2026年3月期)である。平均すると12.5%となり、目標の12%超を上回った。

🔑この3年間で、分母にあたる親会社の所有者に帰属する持分は6兆3,677億円から8兆7,677億円へ、2兆4,000億円増えている。分母が大きくなるほど、同じ利益でもROEは下がりやすい。その条件のもとで、3年間の平均は目標の上に着地した。

堀氏は統合報告書2026のCEOメッセージで、この指標についてこう書いている。

ROE目標の達成には強くこだわっています。ミドルゲーム・成長投資による収益力の強化と、株主還元を含む資本効率向上を両輪で進め、ROEの向上に取り組んでいきます。

答え合わせ③:株主還元は、想定の37%程度から53%超へ

指標当初の想定3年間の実績
株主還元の割合(基礎営業キャッシュ・フローに対して・期間累計)37%程度53%超

金額にすると約1.6兆円である。内訳は次のとおり。

年度1株当たり配当自己株式取得
2024年3月期85円1,200億円
2025年3月期100円4,000億円
2026年3月期115円2,000億円

配当は85円、100円、115円と毎年増え、自己株式取得は3年間で7,200億円にのぼる。堀氏はCEOメッセージで、この点を中期経営計画2026の成果として最初に挙げている。

中期経営計画2026(以下、中経2026)では、成長投資と株主還元の両立を高いレベルで実現し、次の成長に向けた基盤を構築できたことが大きな成果だと考えています。

答え合わせ④:成長投資は、当初計画の約2倍になった

同じCEOメッセージの続きである。

成長投資は3年間累計で約2.4兆円と当初計画の約2倍の水準まで拡大し、株主還元についても約1.6兆円、基礎営業キャッシュ・フローに対する還元割合は53%超と当初計画を大きく上回りました。

有価証券報告書は、この投資の中身にも触れている。

中期経営計画2026で定めた3つの攻め筋に沿った取組みを着実に進捗させ、世界最大級の未開発鉄鉱石鉱床を有する豪州Rhodes Ridge鉄鉱石事業の権益取得など、次のステージに向けて約2.4兆円の成長投資も実行しました。

成長投資と株主還元を同時に増やせた理由として、会社は「機動的な資産リサイクルなどにより当初計画を上回って得られた資金」を挙げている。保有する事業を入れ替えて資金を作り、それを投資と還元の両方へ配分した、という説明である。

答え合わせ⑤:基礎収益力は、+1,700億円の目標に届いた

中期経営計画2026には、定量目標とは別に「基礎収益力の拡大」という目標が置かれていた。3年間で+1,700億円である。

会社のレビュー資料は、2026年3月期に基礎収益力を+520億円拡大し、中期経営計画2026の期間中の拡大幅は+1,720億円で、+1,700億円の目標を達成したと記している。3年間の内訳は+830億円、+430億円、+460億円である。

会社が「基礎収益力」と呼ぶこの指標を、3年間で計画どおり積み上げたことになる。

答え合わせ⑥:キャッシュは「1兆円規模」を5期続けた

指標定量目標実績
基礎営業キャッシュ・フロー1兆円(2026年3月期)9,789億円(3年累計30,022億円)

3年間の推移は、9,958億円(2024年3月期)、1兆275億円(2025年3月期)、9,789億円(2026年3月期)である。

会社はこれを「5期連続で1兆円規模を実現」と総括した。2026年3月期の実績は1兆円の目標の手前にあるが、3年間の累計は3兆22億円となっている。

答え合わせ⑦:当期利益は、8,340億円だった

指標定量目標実績
当期利益(親会社の所有者に帰属)9,200億円(2026年3月期)8,340億円

3年間の推移は、1兆637億円(2024年3月期)、9,003億円(2025年3月期)、8,340億円(2026年3月期)である。初年度は1兆円を超えている。

有価証券報告書は、この3年間の経営環境を「外部環境が大きく変動する中」と記している。金属資源セグメントでは鉄鉱石価格と原料炭価格の下落があり、同セグメントの当期利益は前期比318億円の減少となった。

答え合わせ⑧:次の3年は、1.2兆円と1.1兆円、そしてROE12%

2026年5月、同社は「中期経営計画2029 2030年、そしてその先へ 信頼とイノベーションで未来をつくる」を公表した。

指標中期経営計画2026(2026年3月期)中期経営計画2029(2029年3月期)2030年のあり姿
基礎営業キャッシュ・フロー1兆円1.2兆円—
当期利益(親会社の所有者に帰属)9,200億円1.1兆円1.4兆円超
ROE3年平均12%超12%13%超
株主還元の割合37%程度50%の水準—

ROEは、12%という水準が次の計画にも置かれた(中期経営計画2026は「3年平均で12%超」、中期経営計画2029は「12%」)。株主還元の想定は37%程度から50%の水準へ引き上げられている。中期経営計画2026の3年間の実績は53%超だった。有価証券報告書には「当社過去最大の1株あたり配当」という記載もある。

2030年のあり姿(当期利益1.4兆円超)への道筋として会社が示したのは、ミドルゲームで+2,000億円超、中期経営計画2026で実行した成長投資から+1,500億円超、中期経営計画2029の成長投資から+2,000億円超という積み上げである。

04

経営哲学

寸分変えずに続けたいもの

CEOメッセージは「世界の事業環境が大きく変化する中、三井物産は何を『変えず』、何を『進化』させていくのでしょうか」という問いから始まる。堀氏の答えは、企業文化だった。

三井物産として普遍的なものは、「挑戦と創造」「自由闊達」という企業文化・風土です。これは世界中のさまざまな社会課題に対して、現実解を提案し、自ら実行する。その積み重ねにより、企業価値を高めていくという当社の基本思想そのものです。私は、この考え方を寸分変えずに、続けていきたいと思っています。

垣根の低さを、仕組みとして説明する

同社の強みを問われた堀氏は、組織の構造から説明している。

その前提となるのが、社内の垣根の低さです。15ある事業本部の本部長が社長とのラインで日常的に直接コミュニケーションをとり合い、アラインメントをとりながら迅速に意思決定を行っています。

加えて、重要なのは経営リーダーシップチームが管掌領域を管理するだけでなく、事業本部や地域の枠を超えて案件形成や事業戦略の議論に関与し、全社横断的な役割を果たすことです。

「風通しがよい」ではなく、誰と誰が直接つながっているかで説明している。

保守的な前提を置き、そのつど引き上げる

計画の立て方についての記述は、中期経営計画2026の3年間をそのまま説明している。

中経2026においても、計画策定時には市場のボラティリティを踏まえ、比較的保守的な前提を置きました。そして都度、修正を加えながら目線を引き上げ、成長を実現してきました。

振れ幅の大きさを、機会として受け取る

不確実性の高い経営環境をネガティブには捉えていません。むしろ、経営環境の振れ幅が大きい時ほど当社の果たす社会的役割は大きくなり、お客さまに新たな価値を提供できる機会も増えると考えています。

投資の数を絞ることも、同時に語る

一方で、投資の選別については厳しい言い方をしている。

当社は現在6兆円超の投資案件のパイプラインを有していますが、不確実性の高い経営環境だからこそ、各案件の戦略的意義や競争優位性を厳格に見極める必要があります。中経2029では、こうした考え方を徹底し、当社ならではの価値を真に発揮できる案件を厳選することで、次の成長を支える収益基盤を着実に構築していきます。

目指す姿

当社が目指すのは「Global First-Tier Company」です。日本発の企業としてのルーツを大切にしながら、グローバルでの存在感をさらに高めていきたいと考えています。

05

人物像

リーダーシップタイプ

指標固定型。掲げた指標を途中で入れ替えない型と読める。中期経営計画2026で置いたROE12%という水準は、中期経営計画2029にも置かれた(2026は「3年平均で12%超」、2029は「12%」)。「ROE目標の達成には強くこだわっています」という言い方も、指標そのものへの執着を示している。

強み・特徴(編集部分析)

1. 平均で測る目標を、平均で守った

ROEを「3年間の平均で12%超」と置いたのは、単年度の振れを前提にした設計である。実際に3年間は15.3%、11.9%、10.2%と大きく動いたが、平均は12.5%となった。振れることを見込んだ物差しを置き、その物差しのとおりに測って達成している。

2. 資金の使い道を、投資と還元の両方に伸ばした

成長投資は当初計画の約2倍の2.4兆円、株主還元は想定37%程度に対して53%超。どちらかを削ってどちらかを増やしたのではなく、両方を当初計画より増やしている。会社はその原資として「機動的な資産リサイクルなどにより当初計画を上回って得られた資金」を挙げている。

3. 数字の前提が保守的であることを、自分で開示している

「計画策定時には市場のボラティリティを踏まえ、比較的保守的な前提を置きました」と書いたうえで、「都度、修正を加えながら目線を引き上げ」たと続けている。計画の置き方そのものを説明の対象にしている。

4. 投資を増やした期に、選別の基準も語っている

3年間で2.4兆円を投じ、6兆円超のパイプラインを持つと述べた同じ文章で、「各案件の戦略的意義や競争優位性を厳格に見極める必要があります」「案件を厳選する」と書いている。規模の話と選別の話が同じ場所に置かれている。

発言・記載と実績の対応

発言・記載時期実績
中期経営計画2026の定量目標(基礎営業キャッシュ・フロー1兆円・当期利益9,200億円・ROE3年平均12%超)2023年5月ROE3年平均12.5%/基礎営業CF9,789億円(3年累計3兆22億円)/当期利益8,340億円
「ROE目標の達成には強くこだわっています」2026年(統合報告書2026 CEOメッセージ)中期経営計画2029でもROE12%を目標に設定。2030年のあり姿は13%超
「成長投資は3年間累計で約2.4兆円と当初計画の約2倍の水準まで拡大し」同上有価証券報告書も「約2.4兆円の成長投資も実行」と記載。豪州Rhodes Ridge鉄鉱石事業の権益取得を含む
株主還元の割合37%程度(当初想定)2023年5月(中期経営計画2026)3年間の実績は53%超・約1.6兆円。中期経営計画2029では50%の水準に引き上げ
「計画策定時には市場のボラティリティを踏まえ、比較的保守的な前提を置きました」2026年(統合報告書2026)初年度(2024年3月期)の当期利益は1兆637億円で、同年度の計画8,800億円を上回った。最終年度は8,340億円
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編集部総評

堀氏の在任期間は、資源価格が大きく動いた時期にあたる。当期利益は2023年3月期の1兆1,306億円から2026年3月期の8,340億円へ、ROEは18.89%から10.22%へ動いた。総合商社の利益が外部環境に左右されることは、この数字の動き方そのものに表れている。

そのうえで、編集部が注目したのは目標の置き方と、その守り方である。

堀氏が2023年に置いた3つの数字のうち、ROEだけが「3年間の平均」で設定されていた。単年度ではなく期間の平均で測る——それは、振れることを前提にした物差しである。3年間の実績は15.3%、11.9%、10.2%と実際に大きく振れた。そして平均は12.5%となり、「12%超」の上に着地した。

同じ期間に、分母は2兆4,000億円増えている。親会社の所有者に帰属する持分は6兆3,677億円から8兆7,677億円へ。株主資本が積み上がるほどROEは下がりやすくなる。その条件のもとで平均12.5%を確保している。

株主還元はさらに動いた。当初の想定は基礎営業キャッシュ・フローの37%程度。実績は53%超、約1.6兆円である。配当は85円、100円、115円と3年続けて増え、自己株式取得は3年で7,200億円にのぼった。同じ3年間で、成長投資も当初計画の約2倍の2.4兆円まで拡大している。

そして次の中期経営計画では、基礎営業キャッシュ・フロー1.2兆円、当期利益1.1兆円、株主還元50%の水準と、いずれの目標も引き上げられた。そのなかでROEだけが、12%という水準に置かれている。

「ROE目標の達成には強くこだわっています」——統合報告書のこの一文は、達成した後に書かれている。すでに守った約束について、もう一度こだわると書いた。それが編集部の読みである。

当期利益は9,200億円の目標に対して8,340億円、基礎営業キャッシュ・フローは単年度で9,789億円だった。会社はこれを「5期連続で1兆円規模」と総括している。そして2027年3月期の業績予想には、当期利益9,200億円、基礎営業キャッシュ・フロー1兆500億円という数字が置かれた。

今後の焦点として読み取れる点

  • 2029年3月期の当期利益1.1兆円:2026年3月期の8,340億円から2,660億円の増益が必要になる。会社が示す道筋は、ミドルゲームで+2,000億円超、中期経営計画2026の成長投資から+1,500億円超、中期経営計画2029の成長投資から+2,000億円超の積み上げ
  • ROE12%:単年度では2026年3月期に10.2%まで下がっている。中期経営計画2029の12%が単年度なのか期間平均なのかを含め、達成の測り方が焦点になる
  • 資源価格への依存:2026年3月期の基礎営業キャッシュ・フローは、金属資源3,304億円とエネルギー2,704億円の2セグメントで6割を超える。鉄鉱石はUS$1/トンの価格変動が当期利益に30億円の影響を及ぼすと会社が試算している
  • 6兆円超のパイプライン:投資案件の規模は開示されているが、そこから何を選ぶかは「厳格に見極める」と述べるにとどまっている
  • 株主還元50%の水準:中期経営計画2026の実績53%超を下回る設定であり、成長投資への配分を厚くする意図が読み取れる

参考情報

出典

  • 三井物産株式会社『有価証券報告書』第107期(2026年6月12日提出)、第106期(2025年6月17日提出)、第104期(2023年6月21日提出)
  • 同社『2026年3月期 決算説明会資料/中期経営計画2029』(2026年5月公表)
  • 同社『統合報告書2026』CEOメッセージ(`https://www.mitsui.com/jp/ja/ir/library/online2026/`)
  • 同社公式サイト IRライブラリー(2026年9月15日確認)

注記

  • 本記事は公開情報をもとにLeaders Journal編集部が独自に分析・編集したものです
  • 本記事の会計数値はIFRSに基づくものです。「当期利益」はすべて「当期利益(親会社の所有者に帰属)」を指します
  • 「9,200億円」という数字は、中期経営計画2026における2026年3月期の目標であると同時に、同社が公表した2027年3月期の業績予想でもあります。本記事では対象年度を併記して区別しています
  • 基礎営業キャッシュ・フローは、営業活動に係るキャッシュ・フローから運転資本の増減に係るキャッシュ・フローとリース負債の返済による支出額を差し引いた、同社独自の指標です
  • ROEは有価証券報告書の「親会社所有者帰属持分利益率」を指します。中期経営計画2026の目標は3年間の平均値(12%超)で設定されています。中期経営計画2029の目標は「ROE12%」と記載されており、単年度か期間平均かは公表資料から判別できませんでした
  • 株主還元の割合53%超について、有価証券報告書は「2026年6月17日定時株主総会での決議事項である期末配当が原案どおり承認可決されることを前提としています」と注記しています
  • 1株当たり配当額の85円(2024年3月期)・100円(2025年3月期)・115円(2026年3月期)は、同社が決算説明資料に記載した値です。同社は2025年3月期に株式分割を行っており、有価証券報告書の1株当たり配当額は分割前の表示(2024年3月期170円)と分割後の表示が混在します。本記事は決算説明資料の表記に統一しています
  • 基礎収益力の拡大幅は、会社資料では3年間で+1,720億円(内訳+830億円、+430億円、+460億円)と示されており、目標は+1,700億円です
  • 同社のセグメント区分は2026年3月期から変更されており、「機械・インフラ」は「モビリティ・デジタル・インフラ」、「生活産業」は「ウェルネスエコシステム」等に改められています。本記事のセグメント別の数値は2026年3月期の区分によります
  • 引用文中の数字と単位のあいだの空白は、PDFからの文字抽出で生じたものを詰めています。文言そのものは原文のままです
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